日本人は保守派が多い?ギターの世界もガラパゴス日本
こんにちは、ギター評論家HotButterClubアッキーです。
私は17年間のギター職人経験をもとに、あまり知られていないギターの裏話など、目から鱗のギター雑学と練習が楽しくなるギター講座を開いています。
突然ですが、あなたはいくつギターのブランドをご存じですか?
ギブソン、フェンダー、マーチン、、、といくつ出てきたでしょうか?
ちなみに東京ビックサイトで開催された2018年の楽器フェアには、エレキ・アコギ合わせて300以上のブランドが集まっていたと思います。
思いますというのは、販売会社や製造メーカーの数なら数えられますが、取り扱いブランドとなると数の多さにもう数えきれませんでした。
それだけ多くあるギターのブランドの中でもとりわけ“フェンダー”とギブソン“は人気ですよね?
ただ、知っていましたか?
2018年にはギブソンは経営破綻、フェンダーも負債をかかえています。
これだけ多くのブランドの頂点にいながら売れてないの?って思いますよね?
ギブソン破綻の理由はギターが直接的な理由ではなく別事業の負債によるものですが、それでもその負債を返済できずに破綻したというわけです。
元大手国内メーカーの立場からハッキリ言います!
日本がトラディショナルモデル好きなだけです!
日本では今なお絶大な憧れのブランドということなだけです。日本では売れるので、日本で売るようにシフトしてますよ。老舗海外ブランドの、日本国内委託製造の日本限定シリーズが多いのはそうゆう事です。
40代以上から年齢が大きくなるほどに老舗ブランドへの憧れが強くなる傾向にありますね。
2000年以降にギターを始めた若者はその感覚が薄いのも分かりますよね。
私はそれが悪いとは言いません。私も数多くのトラディショナルモデルをコレクションしてきた身です。
ただ、400種類もドリンクがあるバーで、アサヒスーパードライしか注文しないのはもったいなくないですか?
って思っちゃうんですよね。
国内メーカーだった頃痛感したのも、オリジナルモデルやどんなによくできた新開発よりも、結局はマーチンのコピーモデルの方が売れるんですよ。
数え切らないほどあるその他の海外メーカーが日本であまり売られていないのは、結局日本人は盲目的に老舗メーカーにしか目を向けないことがわかってるからなんだと思いますよ。
また、楽器店は良いものより売れるもの売りやすいものを入荷しますからね。
展示会などで、おじさんたちがよく口にする”マーチン“や”ギブソン“に対して「本物」という表現。
国内メーカーに対する”本物“が買えない人へのコピーブランド的扱いは未だ濃いです。
フェンダーやギブソンに対して、選んでもらうためにはより品質の高いものをより安価で販売するしかない現状。
作り手としては困窮しますが、その現状はどのメーカーも同じで、かつては人気だった国内ブランドとか、これから売り出すブランドとか
「えっ!この値段で、こんなに造りがいいの?それだけあって音もいいじゃん!」
買うならこれでしょ?絶対!ってものがここ最近本当に増えてます。
どのメーカーも苦労してるなぁ、って思います。
私は、ブランドへの憧れがモチベーションになるならそれでいいと思います。趣味ですから。ただ今一度全ての情報と先入観をリセットして、単純に楽器として、音楽を奏でる道具としていろんなギターに向き合うと、もっと世界が広がるよって伝えたいんです。
ガラパゴス化した日本を他所目に、本当に進化してますから、世界も国内ブランドも。