mottoたのしいギターの世界

エレキ・アコギ合わせて17年間ギターの製造に従事した元職人。数多くのアーティスト本人使用モデルの製造に関わってきました。現在はギターをもっと楽しみたい方、練習にちょっと疲れちゃった人の為の雑学やお役立ち情報を、ギター業界の中の人ならではの裏話を交えてお届け中です。

ギターはこうして作っている!裏側の製作風景(裏事情も)

ギターのバインディング製作風景です。

これがかなりの重労働なんです。
絶対に隙間ができては行けないので、力ずよくピッタリと。

かといって力を入れすぎて素材(ウッド)が割れてしまわないように。

 

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超高級素材(50万円以上するようなギター)は杢が均一で細かく小刀やノミが入りやすく木材加工がしやすいです。

超高額なギターでは無いギターの木材は、木目が均一では無かったりして、こっちを削ればあっちが逆立つ、みたいなことの繰り返しです。

それを職人の技術力でカバーします。

 

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そうなるとですね、

大抵のメーカーで起きる逆転現象、

年間に数本超高額なフラッグシップモデルを担当する重責な職人よりも、

そのような木材のレギュラー商品を量産している職人さんの方が木材加工技術が高くなる事があります。

あそこも、そこも、大体のメーカーでそうゆう事があります。

 

 

新鮮なマグロをお刺身で提供するのがマスタービルダーなら

冷凍鮭の切り身で美味しい料理を家族分作るのが一般のクラフトマン

私の知る限り、ナイフやノミなどの支給される道具にも差をつける会社があります。
私がいた2社はそうでした。

 

職人の世界は今現在でいうパワハラが凝縮された世界ですからね。

(今回その話題は置いといて)

 

 

しかしながら

ここ10年でギターの木材の質が大きく変わりました。

10年前なら躊躇わず切り捨てていた部分、
(むしろ、そんな部分は使っては行けないと)

 

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毎日のように高級な木材が大量に産廃業者に焼却処分として出されます。

 

それよりも質の低い木材がAランクとしてあつかわれています。

それよりも質の低いといっても、世間一般では高級木材です。

環境問題を考えたくなります。